レッジョ(学びメモ)創造性の教育

レッジョ・エミリア教育のアトリエスタ養成コース 学びメモ

6月11日 小竹向原に4月のオープンになったまちの保育園にて開催。
ちなみに、この場所、カフェなどを併設したりと「まち」とツナガルことで
多様性を確保しながら、子供の創造性を育もうという取り組みをされている素晴らし場所。
http://machihoiku.jp/

記念すべき1回目は、合計100名のレッジョに興味を持った方が集まっていた。
自己紹介こそなかったものの、保育士の方、経営コンサル、企業広報、美大生など
色んなバックグラウンドの方が集まっていた様子。


気づき、学びメモ
・学びやすい環境、創造性が発揮される環境作り
Piazza(広場)を中心に、年齢ごとにアトリエがあり、アトリエにも明るいものと暗い部屋が。アトリエの中は、アート素材でいっぱい。特に印象だったのが、自然素材(葉、石など)だけではなく、人工物(ネジや鉄など)もたくさん用意されていること。
佐藤学先生が、日本では「子供は自然の中で育つのが一番」という流れがあるが、レッジョでは「子供は文化の中で育つ」と考えているから、人工物に触れて、人工物をアートで表現するのは自然な流れと説明されたのが印象的。一緒に参加しているas materialの崎村さんは、まさにこの分野のワークショップを先行してされているので、よければぜひ!


・共同体と個人の独立性の両立
レッジョのコアは、学びの共同体である。ただし、これは「みんなで学ぼう!」という単純な共同主義ではない。個人が個人の興味(心の声)に従い、好きなことをしてOK。
個性と共同体の発達が同時に追求される!すごく面白い。アトリエスタは、全体で起きていること&個人のことをしっかり記録(documentation)していく。この点、来るco-creation societyのあり方を考えるヒントにもなった。

・子供の表現には物語がある
こどもがいつも言う「そうだいいこと考えた!=I have wonderful idea」に耳を傾け、状況との対話をサポートしてあげる。

・Documentationの重要性
レッジョ教育の中で、アトリエスタの重要な仕事は、子どもの学びをビジュアルや文字で記録していくこと。このdocumentationは、3つの使われ方をする。
 1:子供同士(アトリエにはられ、子供の学びを見せてあげる)  
   佐藤先生は、「子供は今を生きる」から、記録してフィードバックしてあげないと、「断片的になり、成長できない」というインサイトは深かった。
 2:アトリエスタ同士
   園が終わった後に、集団としての学びをシェアし、これがレッジョのナレッジになっていく。取り組みが始まり、こういう知の蓄積が今のプロジェクト1つ1つになっている。
 3:保護者との
   月に1回、保護者と教育者が集まりミーティング。documentationを基に、対話をする。こうして、親の理解も得ながらプロジェクトが進んでいく。

・新しいものの融合
 レッジョでは、科学やコンピューターなど、新しいものを取り入れるのにも積極的。それは、技術を学ぶからではなく、子どもが新しい言葉を使い、表現の幅を広げるから。つまり、創造性の拡大につながっているからとのこと。そして、レッジョが始まったのは、きっかけは文学。クラスで、即興のドラマなどを演じることをしていたとか。面白かったのが、赤頭巾ちゃんのストーリーをテーマに、もし赤頭巾ちゃんが意地悪で、狼がいいやつだったら、話はどうなるか?という投げかけをして、ストーリーを作らせるとか。ちなみに、このストーリーの話は、ファンタジーの文法に記載されているそうです。

教育は、何かを教えるのではなく、頭の中にあるものを表現させてあげるといのが印象的だった。

児童教育だけではなく、複雑性が増し、私たち一人ひとり、そして共同体でも創造性を働かして
解決策をみいだしていかないと行けない時代にレッジョの哲学は大きなヒント、そして重要な問いかけを
していると感じた。

ファンタジーの文法―物語創作法入門 (ちくま文庫)

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